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【文スト】不思議の国の異能少女・陰

第11章 誕生日プレゼント


「うーん…ゴールデンウイークの人も多いから、こんなに人が多いのか」

アリスは百貨店に来ていた。

欲しかった情報を入手し、一仕事終えたばかりのアリスは特に目的のものがあったわけでなく、ブラブラとお店を見て回るウインドウショッピングを楽しもうとしていたのだ。

アリスは百貨店を出て、街中のウロウロすることにした。
それでも人は多い。
お気に入りのスイーツ店でケーキでも買って、そろそろ根城にしているホテルへ帰ろうかと店へ向かった。

「うん?如何したのかな」

目的の店が見えてきた。
然し、様子が可笑しい。そのスイーツ店に入店しようとした人達が、入店しようとした足を止め、少し考え、通り過ぎ、離れた所で入店を待つような行動をしているのだ。

そんな人達に疑問を抱きつつ、アリスは店の中へと入った。
成程と、アリスは納得する。
店の中には厳重に警戒していると云わんばかりの黒服を着た男性が6人程、阿方此方向いて立っており、ショーケースの前の居るものを警護している重々しい雰囲気で包まれていたのだ。

そのショウケースの前に居る人の姿に、アリスは見覚えがあった。


「あれ?貴女は…」



その声で振り返った女性は、尾崎紅葉。
ポートマフィアで出会った人だった。
黒服の男達が、如何みても子供のアリスに警戒と困惑の様子を浮かべる。

「止めよ。迷惑を掛けるな」

そう云われ、男達はアリスへの注目を止めた。

「確か、アリスじゃったな」

「はい」

ショーケースを見ていた紅葉は、アリスを手招きし、自身の隣に呼び寄せた。
それに従うアリス。

「今日の宴で食べたいものを其方も選ぶと良い」

「宴?」

アリスはキョトンとする。
その様子に、紅葉は少し考え、続きを話した。

「今日は中也の18の誕生日じゃ」

「えぇ!?中也兄の誕生日!?」

アリスは驚く。
アリスとの潜入捜査を命じた太宰は何も云ってなかった…あ、云うわけないかと内心で突っ込むアリス。

「知らなかったのかえ?」

その言葉にコクリと頷く。

「ふふ。ならば来年からは覚えておくがよい。その方が中也も喜ぶじゃろうて」

「…誕生日か」


紅葉の言葉に再び頷いて、アリスは呟いたのだった。
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