第10章 猫の日
「アリスがこんな姿になっちまったのは手前の異能か?」
「……はい。触れたものを動物に変える異能です」
「どうやったら解ける」
「3日経てば、自然と」
「アリスは取り敢えず置いておく。何故下級構成員……手前と同期だろ。其奴等を動物に変えた?」
「……先ず、前提として其方の彼女を動物に変えてほしいと頼まれまして…その算段をしていたんですが」
「誰にだ?」
「○○達です」
「○○?誰だそりゃ」
中也が首を傾げる。
「多分、犬か鳥の何方かに変えられている人だよ」
アリスが口を挟む。嗚呼、と納得した中也は、続けてくれと男に云った。
「その計画をしていた段階で、同期5人にバレてしまいまして……計画を遂行するまでの間、その口封じといいますか…動物は喋れないので…」
男はチラリとアリスを見る。
矢張り話せない筈だったのだ。
「でも鳥は喋れんだろ」
「オウム返しはできると思いますが…基本的に話せない筈です。避けたくても自分では变化させる動物は選べません」
男は、「自分が動物と認識している動物に、ランダムで变化させる」詰まり、動物は選べないとのことだった。また、大きすぎる個体も不可能だと説明する。
「で、依頼人の女を変えたのはカモフラージュか」
「その通りです…」
「それで?アリスを狙った理由は」
「○○に頼まれたから以外は言いようがありません。彼女を狙うように云われた理由は聞かされていなくて…」
「それなのに加担したのか?」
「はい……その…」
「ハッキリ云え」
「○○に惚れてましてっ……その……申し訳ありませんでした!」
これ以上下げられない頭を一生懸命に下げる男。
理由を聞いて呆れる中也。
「手前、アリスが何者か知ってて加担したのか?」
「いえ。…○○に中原幹部の訓練の時にだけ参加している怠け者とだけ聞かされていて…自分も訓練で数回見掛けたことあるかどうか位の認識です」
「もう一つ聞く。指輪を見なかったか?」
「指輪、ですか。いえ自分は…。然し、彼女の姿を変えた直後、□□が衣服の山から何かを探していました」
「そうか」
中也は、アリスをちらりと見た。
アリスは首を縦に振る。
その意図を正しく読み取った中也は息を吐いた。