第3章 Lesson2 新たなる学び舎
いつの間に大演説会が終わったのか、ハーマイオニーがレイ達を見ながら言う。おぼろげな頭で「何が不思議なのか」と問うと、彼女は微笑みながら「今の関係がよ」と返した。
「レイはともかく、ドラコとこんなに話す機会が出来るだなんて。まだ夢の中みたいだわ」
「どうする?本当はまだベッドの中で、ヴォルデモートがホグワーツに進軍している最中だったら?」
「大量に剥いたジャガイモの皮を、全部ヴォルデモートに投げつけてやるわ」
思ってもみなかったハーマイオニーの返答に、レイは思わずぶはっと吹き出した。その隣で、ドラコも下を向いて小刻みに震えている。
そう言えば旅の途中、2人そろって大量にジャガイモの皮を剥いていた事もあった。そのシュールな光景を思い出し、レイは暫く腹を抱える羽目になった。
* * *
長かった列車の旅を終えると、次はバスが待っていた。レイとドラコは大人しくハーマイオニーに従いバスに乗ると、デコボコした道を20分も進み、それが終わったら今度は徒歩で大聖堂を目指した。
道中、重そうにトランクを引きずるホグワーツ生を数人見かけたが、顔見知りは1人もいなかった。
「これで着かなかったらどうする?」
「着く」
「根拠は?」
「来た道を戻ればいいわ」
「単純明快だな」
潮のにおいを嗅ぎながら、レイ達は聖・アンドルーズ大聖堂を目指してひたすらに歩いた。
懐かしいスコットランドの空は今日も鉛色をしており、それがやけに落ち着く。
しばらく歩くと遠くに海も見えた。中々どうして、ホグワーツとは毛色こそ違うが、自然の豊かさを感じる。遠いさざ波を耳に、レイはそっと目を閉じた。
「レイ、どうした?」
「いや、何でもない」
それからまた歩みを進めると、遠くの方に石の壁が現れた。最初は低い、ただの囲いのように見えた。だが一歩一歩足を進めるごとに、その高さと厚みが増していく。そしてようやく “遺跡”が見えてきた。