第3章 Lesson2 選ばれた意図
「宗教的な“意味”を消したいなら、痕跡は残さないはずでしょう?それこそ石材も取り尽くされるはず」
「けれど、そこは今でも遺跡として残ってるんだろう?」
「ええそうよ。大まかだけれど形がある、構造が読める、痕跡が明確に残ってる。つまり――」
「ただ遺されたのではなく、『何らかの意図』があって遺されたと言うわけか」
「ええ、そこがこれから私たちの行く所よ。数ある候補地からホグワーツの仮校舎に選ばれた『意図』がどこにあるのか、とても興味が湧くと思わない?」
最後の言葉を引き継ぐと、ドラコとハーマイオニーはそろって満足気に大きくため息を吐いた。そればかりか瞳に好奇心と言う光がキラキラ光って見える。
レイにしてみれば、たかが仮校舎によくそこまで熱心になれるものだと感心した。流石は学年主席と次席。もしかしたら2人は根っこの所では似ているのかもしれない。
2人とも飽きもせずこれから向かう廃墟について議論をしているのを子守唄に、レイは眠りについた。途中、体に何かふわっとしたものがかけられた気がして、目を薄っすらと開くと、丁度ドラコと目が合った。
「すまない、起こしたか?」
「いや、ありがとう……」
「なんだか不思議ね」
ハーマイオニーがレイ達を見ながら言う。おぼろげな頭で「何が不思議なのか」と問うと、彼女は微笑みながら「今の関係がよ」と返した。
「レイはともかく、ドラコとこんなに話す機会が出来るだなんて。まだ夢の中みたいだわ」
「どうする?本当はまだベッドの中で、ヴォルデモートがホグワーツに進軍している最中だったら?」
「大量に剥いたジャガイモの皮を、全部ヴォルデモートに投げつけてやるわ」
思ってもみなかったハーマイオニーの返答に、レイは思わずぶはっと吹き出した。その隣で、ドラコも下を向いて小刻みに震えている。
そう言えば旅の途中、2人そろって大量にジャガイモの皮を剥いていた事もあった。そのシュールな光景を思い出し、レイは暫く腹を抱える羽目になった。