第3章 Lesson2 新たなる学び舎
一気にそこまでまくしたてると、2人は顔を見合わせて僅かに口角を上げた。
レイは、完全に2人の世界になっていたドラコとハーマイオニーと言うコンビを見て、僅かどころか口が左右に引き裂けんばかりに笑っていた。
まさかあのドラコが、ハーマイオニーの話にじっくり耳を傾ける日が来るだなんて。ハーマイオニーを散々汚れた血と言っていた頃がなんだかとても懐かしい。
「でもね、普通はここまで残らないの。」
ここで少しだけ、ハーマイオニーの声が落ちた。それに耳を傾けようと、再びドラコがグッとハーマイオニーに近づく。
そんな2人に対して、レイはさらに会話を盗み聞きしようと耳に神経の殆どを集中させた。
普通、恋人が他の女の子と至近距離で話していたら、ちょっとくらいは嫉妬してもおかしくないはずだ。だが今のレイにとって、この2人のやり取りは嫉妬を超えるほどエンタメ的な価値があった。
「宗教的な“意味”を消したいなら、痕跡は残さないはずでしょう?それでなくともスコットランドにおけるカトリックの重要拠点だったのよ?」
「けれど、そこは今でも遺跡として残ってるんだろう?」
「ええそうよ。大まかだけれど形がある、構造が読める、痕跡が明確に残ってる。つまり――」
「ただ遺されたのではなく、『何らかの意図』があって遺されたと言うわけか」
「ええ、そこがこれから私たちの行く所よ。数ある候補地からホグワーツの仮校舎に選ばれた『意図』がどこにあるのか、とても興味が湧くと思わない?」
最後の言葉を引き継ぐと、ドラコとハーマイオニーはそろって息を吐いた。そればかりか瞳に好奇心と言う光がキラキラ光って見える。
レイからすれば、たかが仮校舎によくそこまで熱心になれるものだと感心する。流石は学年主席と次席。もしかしたら2人は根っこの所では似ているのかもしれない。
2人とも飽きもせずこれから向かう廃墟について議論をしているのを子守唄に、レイは眠りについた。
暫くすると、体に何かふわっとしたものがかけられた気がして、目を薄っすらと開く。すると丁度ドラコのブルーグレイの目と目が合った。
「すまない、起こしたか?」
「いや、ありがとう……」
「なんだか不思議ね」