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その距離、反則につき。

第3章 Lesson2 新たなる学び舎


「それじゃあ、そろそろ行くか」
「ちょっと待て、どうして君が先導を取るんだい?」
「ドラコが取るよりマシだろ?」
「その言葉、そっくり君に返してあげるよ」
「あら2人とも?マグルの列車の切符の買い方は知ってるの?」

 したり顔のハーマイオニーを前に、レイとドラコは口を閉ざさるを得なかった。

 それから2人はハーマイオニーに切符の買い方を教えてもらうと、1枚の小さな切符を手に自動改札機に挑んだ。
 開閉する小さな扉にオロオロするレイとドラコは、人の波に押されながらどうにか改札機を通り抜けることに成功した。
 レイはもちろん、ドラコでさえ「こんな情けない姿を晒すくらいだったら、大人しくハーマイオニーの指示に従おう」と2人は気持ちを切り替えた。昔から変な所で気が合うのがこの2人である。

 列車に乗り込むと、3人は向かい合わせの席に座った。レイは当然、窓際の席だ。窓を少し開けると、夏らしい緑の風が首筋をくすぐった。
 召喚の杖はもう壊れてしまったが、自然を心地よく感じるこの感覚だけは残っていた。それだけでも十分だ。あの杖は母様の形見でもあったが、その力はあまりにも強大で人の手には余る代物だ。

「それで?これから行く仮校舎はどういう所なんだ?」

 発車の合図と共にゆっくりと景色が動き出すと、早速レイは当たり前のようにハーマイオニーに尋ねた。すると彼女は何か言いたそうな視線と共に小さくため息を吐いた。

「聖・アンドルーズ大聖堂って言って、スコットランドを代表する大きなカトリック教会だった場所よ」
「だった?」
「16世紀の宗教改革によって、破壊されたの」

 ハーマイオニーの声は清ましていて、まるで講堂かどこかで演説しているかのように滑らかな口調だった。これまでの経験から察するに、これは絶対長くなるパターンだ。
 レイは自分の選択をミスしたと認め、すぐさま車窓の縁に頭を持たせかけた。
 しかし一度開演してしまったハーマイオニーの演説は止まると言う事を知らない。まるでガイドブックを暗記しているかのようにハーマイオニーは喋り続けた。
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