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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第3章 【伏黒恵】君に響くカンパニュラ**


「俺と比べていいかわかんねーけど。俺、のこと気持ち悪いとか思わないよ。むしろ……、すげー頑張って生きてきたんだな」

「呪いに育てられたとか、声が出せないとか、そんなの関係ねぇよ。俺たちにとっちゃ、はだろ?」



二人の温かい言葉に、うまく頷けなかった。
目の奥がじわりと熱くなる。


すると、恵くんが私の手からペンを取って、さっき私が書いた文字の下に短く書き足す。



『軽蔑なんかしてない』
『一緒にいたいからいる』



書き終わると、恵くんは目を逸らしてしまった。

きっと、深い意味なんてない。
恵くんは昔からこういう人だから。

困っている時は、何も言わずに手を伸ばしてくれて。
私が欲しい言葉を、いつも少しだけ不器用な形でくれる。

だから困る。
家族みたいな人だと、何度も自分に言い聞かせてきたのに。


私は、その文字から目を離せなかった。
だんだんと、その文字がノートの白いページの上で滲んでいく。
あ、と思った時には、もう遅くて。
ぽた、と涙が落ちた。



「……?」



恵くんが、少し焦ったように私の名前を呼んだ。

私は首をぶんぶんと横に振る。

違う。
悲しいんじゃない。
嬉しいの。


そう伝えたいのに、涙ばかりがこぼれて、ペンを持つ手がうまく動かなかった。



「あー。恵が泣かせた」



五条先生が、わざとらしく声を上げる。



「俺のせいですか!?」

「だって今、恵が何か書いた瞬間に泣いたじゃん」

「先生が余計な話したからでしょうが」

「えー、僕のせい?」



私は制服の袖でぐいっと涙を拭って、濡れてしまったページの端に文字を書いた。



『みんな、ありがとう』
『私も、みんなと一緒にいたい』



書き終えると、虎杖くんがぱっと笑った。



「もちろん! 一緒にいようぜ」



野薔薇ちゃんも、当然だと言わんばかりに頷く。



「最初からそう言ってんでしょ」
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