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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第2章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる II**


「恵、知ってる? は、僕のことが好きなんだよ」

「……」



そんなこと、いちいち教えられなくてもわかってる。
昨日本人の口からも聞いてるんだ、こっちは。

あー、ほんとムカつくよ。
あんたのそういうデリカシーのないところが。



「それに僕、聞いちゃったんだよね。昨日の夜」

「……何をですか」

「の、“好き”って言葉」



五条先生はそう言って、自分の指先を見つめた。
そして、思い出すようにふっと口元を緩める。



「あんな顔、恵は一生見られないだろうねぇ」

「……っ」



それって、どういう意味だ。
嫌な想像がまた頭をよぎる。

それでも、まだ決まったわけじゃない。
は俺の手を取った。
ちゃんと見ると、そう言ってくれたんだ。



「……人の気持ちは変わるものです。それは、先生がよく知ってるんじゃないんですか?」



五条先生の眉が、わずかに上がった。



「せいぜい頑張れば。でも僕、に呪いかけちゃったから」

「……は?」



呪い?
何してんだ、この人。



「……呪いってなんですか」

「さあ?」

「五条先生」

「と僕の秘密〜」



くそっ。
この人はいつもそうやって、肝心なところは絶対に言わない。


俺は少し離れた場所にいるへ視線を向けた。
は旅館の人から湯呑みを受け取って、ぺこりと頭を下げている。


もう俺は、を見ているだけで満足できない。
の気持ちが、あんたに向いているからって。
俺はそれを理由にして、また同級生に戻ることはできないんだよ。



「その呪い、俺が祓ってやります」

「恵に祓えんのー? 僕の呪いだよ?」

「だからですよ」



俺は、自分の皿に残っていただし巻きを箸でつまむ。
そして、の空いた皿へそっと移しながら、俺は続けた。



「五条先生もその呪いが、自分に返ってこないといいですね」



先生は黙った。
ほんの一瞬。
本当に一瞬だけ。

それから、いつもの顔に戻る。
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