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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第2章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる II**






「私、お茶のおかわり、もらってきますね」



はそう言って、空になった俺たちの湯呑みを両手で持ち、少し離れたところにいる旅館の人の方へ向かった。


が十分に離れたのを確認してから、正面に座る五条先生へ視線を戻した。
五条先生は、黙々と味噌汁を啜っている。



「昨日……」



俺は口を開いた。



「に告白しました」

「へえ」



腹が立つくらい、心のない相槌。
何も気にすることはないのか、椀を口元へ運んでいる。

俺が告白したところで、の気持ちは変わらない。
この人には、そう思うだけの余裕がある。



「考えてくれるって言ってくれました」

「ふーん、よかったね」



五条先生はそう言って、空になった椀を持ち上げた。



「すみませーん。お味噌汁、おかわりもらえます?」



近くにいた旅館の人が、すぐに椀を受け取って離れていく。
その背中を見送ってから、五条先生はようやく俺を見た。



「で?」

「……」

「それ、僕に報告してどうしたいの?」



どうしたいのか。
そんなこと、俺にもはっきりわかっているわけじゃない。
ただ、この人にも知っておいてほしかった。

俺はもう、ただの同級生のふりをして引くつもりはない。
の隣に、あんたを当たり前みたいに立たせておくつもりもない。



「先生はのこと、どうしたいんですか」

「どうって? それ、恵に関係ある?」



あります、と言いかけて喉元で止めた。

関係ある。
そう言い切れるほど、俺はまだに選ばれていない。

それでも、聞かずにはいられなかった。



「暇つぶしなら、他にいくらでもいるでしょう」

「……」

「先生なら、そういう相手には困らないはずです」



自分のことが好きな子を、心地がいいから側に置いているだけ。
そんなの、あんたが適当に扱ってきた相手と何が違うんだ。


五条先生は戻ってきた味噌汁の椀を受け取ると、膳の上に置いた。
さっきまで軽く流していたくせに、その蒼い目だけがまっすぐ俺を見る。
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