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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第2章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる II**


「「……」」



こんもりとした布団の山が、さっきより小さくなった気がする。



「……ぷっ」



先に吹き出したのは、五条先生だった。



「ちょ、。タイミング完璧すぎでしょ」

「……っ」



俺も、堪えきれずに小さく息を漏らした。



「わ、笑わないでくださいよ……!」



が、がばっと布団を跳ね除けた。

寝癖で少し跳ねた髪。
真っ赤な顔。

むっとしたように俺たちを見ているその顔は、いつもの――俺の好きなだった。



「お腹は……お腹は、私の意思とは別なので……!」

「はいはい。お腹は正直だもんね」

「先生っ」



五条先生は肩を揺らして笑うと、表情をやわらげた。



「、おはよ」



その声は、俺と話している時よりずっと優しかった。

は一瞬だけ目を瞬かせて、それからますます顔を赤くする。



「……おはよう、」



俺も声をかけると、の視線がこっちへ移る。

昨夜のことを思い出したのか。
少しだけ迷うように唇が動いたあと、は浴衣の襟元をぎゅっと握って、こくりと頭を下げた。



「……お、おはようございます……先生、伏黒くん」



その声はまだ頼りなかったけれど。
布団の中に戻ることは、もうしなかった。



「じゃ、行こっか」



五条先生はそう言うと、あまりにも自然にの手を取った。

の肩がほんの少しだけ跳ねたが、戸惑いながらも、その手に引かれるまま立ち上がる。



「せ、先生……っ」

「なに? 朝ごはん、行くんでしょ」

「そ、そうですけど……あの、て、手が……」



そう言いながら、の頬がまた赤くなった。


その顔を見ると、胸の奥がまた黒い嫉妬に蝕まれる。

そうだよな。
何、期待してたんだ。俺は。
は五条先生が好きなんだから。
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