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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第2章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる II**


がゆっくりと目を開けた。



「、おっはよ〜! お寝坊さんっ」



先生の明るい声が部屋に響く。

はまだ状況が飲み込めていないのか。
ぽやんとした顔で、俺と五条先生を交互に見つめていた。
焦点の合っていない目が、ぱちぱちと瞬きをしている。



「…………」

「?」「……?」



俺と五条先生がほとんど同時に声をかけたが、は無言で布団を引き寄せ、ばさっと頭から被った。

こんもりと盛り上がった布団が、ぴくりとも動かなくなる。



「ー?」



五条先生が呼びかけると、布団の中から蚊の鳴くような声が聞こえた。



「……わ、私は、まだ寝ています……」

「だから、寝てるやつは返事しないから」



五条先生がすかさず突っ込むと、布団の中がびくっと揺れる。

明らかに様子がおかしい。
それに、俺だけではなく五条先生も同じように避けられている。


五条先生はケラケラ笑いながら、布団の端を指でつついた。



「ほら、朝ごはん行くよー」

「……」

「旅館の朝ごはんだよ? 焼き魚あるよ? 納豆もあるよ?」

「……」

「お味噌汁」

「……」

「炊き立ての白いごはん」

「……」

「の好きそうな、ちっちゃい小鉢いっぱい」

「……」



五条先生がこんなに話しかけているのに、一切の返事が返ってこない。
今までこんなことなかったのに。


俺も少しだけ考えてから、口を開いた。



「……だし巻きもあるんじゃないか。、好きだろ」

「……」



期待してみたが、俺にも返事はない。

けれど、次の瞬間。




ぐうううぅぅ……。




布団から、やけにはっきりとした音が響いた。
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