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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**


「わかった。急かす気はねぇよ」

「……ありがとう」



告白されたあの日は、いろんなことが一度に起こりすぎた。
ちゃんと返事ができたのか、自分でもよくわからなかったから。

こうして改めて伝えられて、ちょっと肩の力が抜けた。



「じゃあ、次は伏黒くんの番」

「……俺も、ひとつ聞いていいか」

「うん、なんでも聞いて」



そう答えると、伏黒くんはなぜかすぐには口を開かなかった。
一度視線を落としてから、少し言いづらそうに私を見る。



「……どっちが……よかった?」

「どっち?」

「俺と五条先生」

「……え?」

「キス。どっちがよかった?」

「なっ!?」



何を聞くのかと思ったら、そこ!?


頭の中に、二つの記憶が一気に押し寄せた。

突然重なった、伏黒くんの唇。
避ける間もなく距離を詰められた、先生の唇。


どちらも、とっくに終わったことなのに。
思い出した途端、その時の二人の距離まで戻ってきたみたいだった。



「な、何聞いてるの!?」

「お前が何でも聞いていいって言ったんだろ」

「言ったけど! そんなこと聞くと思わないじゃん!」

「……で?」

「で、じゃないよ!」

「俺も答えたんだから、お前も言えよ」

「そんなこと言われても……!」



わかんないよ。
どっちがよかったなんて、そんなの考えたこともない。

そもそも、どう比べればいいの!?


伏黒くんとのキスは、本当に突然だった。
あれが私のファーストキスで。

何が起きたのか理解するより先に唇が重なって、近すぎる伏黒くんとの距離にいっぱいいっぱいで。


先生のキスは、それとは全然違う。
こっちが戸惑っている間にも、全部わかっているみたいに距離を詰めてきて。

拒むとか、考えるとか。
そんな余裕さえなくなるようなキスだった。

しかも、あの時は。
キスされながら、あんなことやこんなことまでされて――。



「~~~~っ!」



だめ。
そこまで思い出したら、ますます答えられない!

というか、なんで私は廊下でこんなこと真剣に考えてるの!?
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