第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**
恵ものこういうところがたまんないのかな。
そう思ったら、さっきまで可愛かった赤い頬が急に気に入らなくなった。
僕はの頭に手を乗せた。
「僕がいない間もいい子にしててね」
「……?」
耳元まで顔を寄せて、わざと声を落とす。
「この前言ったこと、ちゃんと覚えてるでしょ?」
「……っ」
「お土産、買ってきてあげるから」
は何か言いたそうに唇を開いたけど、何も言わず、僕の手の下でおとなしく俯いた。
……ちゃんと覚えてるみたいだね。
えらいえらい。
「じゃ、行ってくるね」
「……先生、いってらっしゃい。気をつけて」
「僕を誰だと思ってるの」
ひらひらと手を振って、その場を立ち去る。
少し歩いたところで、なんとなく振り返った。
はまだ、その場に立っていた。
さっき僕が触れた場所へそっと手を置いて、嬉しそうに目を細めている。
ちゃんと効いてるじゃん。
僕がかけた呪い。
「…………悟、悟ってば」
その声で、ようやく目の前に女がいることを思い出した。
「え、なに?」
視線だけを向けると、色っぽい下着をつけた女が、脱いだ服を椅子の背にかけているところだった。
「今日、何時まで一緒にいられるのって聞いたんだけど」
ああ、そうだった。
出張先の任務が思いのほか早く終わって、予定より早く都内に戻ってきた。
なんとなく、スッキリしたくなって。
帰りに適当に連絡したんだっけ。
僕はヘッドボードにもたれたまま、片脚を立てる。
もう片方はシーツの上にだらしなく投げ出した。
女は振り返ると、残っていた下着もすべて脱ぎ捨てて、ベッドへ上がってきた。
顔はまあ、美人。
スタイルもいい。
胸だってでかい。