第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**
𓂃 side:五条悟 𓂃
嫉妬なんて、僕には一番縁のない感情だと思ってた。
欲しいと思えばなんだって手に入るし。
僕から何かを奪える奴なんて、いるわけない。
だから、自分以外の男を見てるだけで腹が立つとか。
そいつに取られるかもしれないと思っただけで、相手を縛りたくなるとか。
そんな面倒なことを、まさか僕がするとは思ってなかった。
『彼氏、作んないで』
好きだとは言ってない。
を選ぶとも言ってない。
ただ僕以外の誰かを選ぶことだけ、許さなかった。
は僕の言葉を大事にする。
昔からそうだ。
初めて会った時に僕が言ったことを、今でもずっと宝物みたいに覚えてるんだから。
あの子はきっと守ると思っていた。
僕がかけた呪いを。
僕の言葉を。
「……せ、先生っ!」
出張へ行く前、廊下を歩いていたら後ろから呼び止められた。
振り返ると、がこっちへ駆けてくるところだった。
「ん? どうしたの?」
「今日から出張なんですよね」
「そーだよ。あ、もしかして寂しいとか?」
「そ、そういうわけじゃ!」
「じゃあ、なに?」
「……いつ帰ってくる……のかなって」
「うーん、そうだね。早くて日曜日かな」
「そうですか……」
「そんなに僕に会いたそうな顔しなくても、すぐ帰ってくるって」
そう言うと、ははっとしたように両手で頬を押さえた。
「そ、そんな顔してません!」
「してるしてる」
「してません!」
相変わらず、嘘つくの下手だね。
そんなに顔赤くして言われても、説得力ないよ。