第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**
同じものを選んで。
同じものを好きだと思って。
そんな小さなことが、俺は妙に嬉しかった。
俺と何かが同じだってわかった時にも、こんなふうに笑ってほしい。
そういう顔を、もっと俺の前でしてほしい。
「プレゼント用でお包みしますね」
「お願いします」
手際よくプレゼントが包まれていくのを二人で眺めていると、店員が声をかけてきた。
「喜んでくれるといいですね」
「はい。いつもお世話になってる人の誕生日プレゼントなんです」
「まぁ、そうなんですね」
店員は柔らかく笑いながら、ラッピングされた紙袋をカウンターに置いた。
「ふふ。デートですか?」
「でっ……!」
は目を見開いて、俺と店員を交互に見た。
「ち、違います! これは、その、伏黒くんは同級生で……!」
「え、そうなんですか? 仲が良さそうだったので、てっきり」
「一緒に買い物に来ただけで! ね、伏黒くん!」
こっちに振るなよ。
適当に流せばいいのに、こいつは。
違う、と言えばいい。
ただの買い物だと。
プレゼントを選びに来ただけだと――。
「……そうですね。デートですね」
「伏黒くん!?」
焦るを見て、店員はくすくすと声を漏らした。
「お似合いですよ。お二人」
「~~~~っ!」
は言葉に詰まりながらも、ぺこりと店員に頭を下げて紙袋を受け取る。
そのまま俺の袖を軽く引いた。
「い、行こう、伏黒くん」
店を出てからも、はしばらくこっちを見なかった。
少し歩いたところで、ようやく足を止める。
「……な、なんであんなこと言ったの?」
「あんなこと?」
「デートって……!」
「……ああ」
言われて、自分でも少し考える。
なんでって――。