第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**
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約束の土曜日。
駅前の雑貨屋に入ってから、はずっと真剣だった。
「うーん……硝子さんって、何が好きなんだろう」
棚に並んだ小物を、ひとつずつ手に取っては戻している。
ハンカチ。
ボールペン。
マグカップ。
小さなポーチ。
どれも一度は手に取るくせに、すぐに首を傾げる。
「……タバコ、ワンカートンとか」
「俺たちには買えねぇだろ」
「あはは、そうだね」
は少し残念そうに眉を下げて、また棚へ視線を戻した。
「じゃあ、タバコ以外で硝子さんが喜びそうなもの…………お酒?」
「それも無理だろ」
「だよねー……」
は棚を眺めたまま、しばらく考え込んでいた。
それから、ふと思いついたように顔を上げる。
「……あ、コーヒーは? 硝子さん、医務室でよく飲んでるし」
「いいかもな」
の顔がぱっと明るくなった。
さっきまで迷っていたのが嘘みたいに、棚から離れて店の奥へ歩き出す。
この雑貨屋にはコーヒー豆もいくつか置いてあって、はその棚を覗き込んだ。
「いっぱい種類あって迷うね」
「前に、酸味が強いのはあんまり好きじゃねぇって言ってたな」
「じゃあ、深煎りの方がいいのかな……」
がコーヒーの袋を見比べていると、近くにいた店員が声をかけてきた。
「よろしければ、試飲できますよ」
「え、いいんですか?」
「はい。こちらの三種類でしたら、すぐご用意できます」
「伏黒くん、どうする?」
「飲んでみるか」
店員が試飲の準備を始めたところで、ふと気づいた。
「すみません。砂糖かミルクってありますか」
「ございますよ。準備しますね」
「……え?」
が驚いたように俺を見る。
「、ブラック飲めないだろ」
「……知ってたの?」
「前に、苦いって言ってたから」
それは、前に五条先生と三人で休憩していた時のことだ。