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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**






約束の土曜日。
駅前の雑貨屋に入ってから、はずっと真剣だった。



「うーん……硝子さんって、何が好きなんだろう」



棚に並んだ小物を、ひとつずつ手に取っては戻している。


ハンカチ。
ボールペン。
マグカップ。
小さなポーチ。


どれも一度は手に取るくせに、すぐに首を傾げる。



「……タバコ、ワンカートンとか」

「俺たちには買えねぇだろ」

「あはは、そうだね」



は少し残念そうに眉を下げて、また棚へ視線を戻した。



「じゃあ、タバコ以外で硝子さんが喜びそうなもの…………お酒?」

「それも無理だろ」

「だよねー……」



は棚を眺めたまま、しばらく考え込んでいた。
それから、ふと思いついたように顔を上げる。



「……あ、コーヒーは? 硝子さん、医務室でよく飲んでるし」

「いいかもな」



の顔がぱっと明るくなった。

さっきまで迷っていたのが嘘みたいに、棚から離れて店の奥へ歩き出す。

この雑貨屋にはコーヒー豆もいくつか置いてあって、はその棚を覗き込んだ。



「いっぱい種類あって迷うね」

「前に、酸味が強いのはあんまり好きじゃねぇって言ってたな」

「じゃあ、深煎りの方がいいのかな……」



がコーヒーの袋を見比べていると、近くにいた店員が声をかけてきた。



「よろしければ、試飲できますよ」

「え、いいんですか?」

「はい。こちらの三種類でしたら、すぐご用意できます」

「伏黒くん、どうする?」

「飲んでみるか」



店員が試飲の準備を始めたところで、ふと気づいた。



「すみません。砂糖かミルクってありますか」

「ございますよ。準備しますね」

「……え?」



が驚いたように俺を見る。



「、ブラック飲めないだろ」

「……知ってたの?」

「前に、苦いって言ってたから」



それは、前に五条先生と三人で休憩していた時のことだ。
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