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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**


俺が触れようとするたびに、の中にあの人が割り込んでくる。


一体、どんな呪いかけてんだよ。
クソ。
ここにはいないくせに。



「……どういうことだよ?」

「……」

「」

「……言えない」

「言えないって何だよ」

「わかんないの。私も、先生がどういう意味で言ったのか……わかんないから」



は口元を隠したまま、目を伏せた。

その顔を見て、無理に聞き出す気が失せる。
責めたいわけじゃない。

あの人の言葉にが縛られていることが、どうしようもなく気に食わなかった。



「……じゃあ、今週空いてる日あるか」

「どうしたの急に?」

「来週、家入さんの誕生日なんだ」

「硝子さんの?」

「ああ。何か渡そうと思って」

「そ、そうなんだ……」



は話が変わってほっとしたような顔をした。
その顔を見て、また少し面白くない気持ちになる。



「あ、それなら野薔薇ちゃんたちにも声かけた方が――」

「虎杖たちは明日から今週いっぱい京都校に行くらしい」

「え、そうなの?」

「ああ。だから」



言いながら、自分でも口実っぽいとは思う。
だけど、嘘はついていない。



「、付き合ってほしい」

「つ、付き合っ……」



の顔が、また一気に赤くなった。



「え、あ、そのことは、まだちゃんと答えを出せてないというか……先生のことも、伏黒くんのことも、色々あって……その……」



は?

一瞬、何の話をしているのかわからなかった。

いや。
まさか。



「私、ああいうの初めてで……ちゃんと考えたいし……でも、ずっと待たせるのも悪いと思ってて……」



早口で、どんどん声が小さくなっていく。
視線はあちこちに泳いで、最後には俺の顔をまともに見られなくなっていた。


……ちょっと、待て。


前のなら、たぶん「どこに?」って聞き返してた。

なのに今は、俺が「付き合ってほしい」と言っただけで、真っ先にそっちの意味を考えた。

少なくとも、もう俺をただの同級生として見てるわけじゃないってことか。
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