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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**


「だけど、今の見てる限り、あんたも全然ナシってわけじゃなさそうだけど」

「…………」



さっきの、真っ赤になったの顔が頭に浮かんだ。

俺が触れただけで。
名前を呼んだだけで。
あんなふうに慌てて。

まるで、俺からのキスを意識しているような。



「…………そう、思うか?」

「少なくとも、何とも思ってない相手にあんな反応しないでしょ」

「…………」

「ま、本人がどういう意味で意識してんのかまでは知らないけど」



そこは自分で頑張んなさい、とでも言うみたいに釘崎は肩をすくめる。
そして、俺の肩をポンと叩いた。



「私は伏黒、応援するわよ」

「いや……なんで」

「どう見たって、先生とくっつくより、あんたと付き合った方が幸せになりそうだし」

「…………」



それは、正直同感だった。


五条先生がをどう思っているのかは知らない。

でも、があの人をどう思っているのかは、あの人だって知ってるはずだ。

それなのに。
期待させるようなことをして。
答えは何ひとつ渡さない。

俺なら。
少なくとも、の気持ちを知った上で、あんなふうに振り回したりしない。



「いいこと教えてあげる。今週、先生出張でいないらしいわよ」



釘崎は、意味ありげに口角を上げた。



「出し抜くなら、チャンスなんじゃない?」

「……お前な」

「こういうのは早い者勝ちよ。あ、私と虎杖も明日からいないから〜」



それだけ言うと、釘崎はひらひらと手を振って、そのまま行ってしまう。
取り残された俺は、しばらくその場に立っていた。


五条先生がいない。


それなら。

少しくらい、と二人でいられるかもしれない。

あの人を気にせず。
誰にも邪魔されずに。


そう考えると、微かに期待してしまう。


あの日のことが、まだの中に残っているのなら。
俺を少しでも意識してくれているのなら。


もう一度、ちゃんと二人で話したかった。
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