第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**
いや、いきなり口に含ませるんじゃなくて。
まずは慣れさせるために、舌でぺろぺろ舐めさせるのもいいな。
そんな姿を想像した途端。
さっきまで何をされても無反応だった身体が、あっさり熱を持っていく。
「ふふ。やっと大きくなった」
女は自分がその気にさせたと思ったらしい。
満足そうに笑っている。
僕は女の肩を掴むと、ベッドへ仰向けに押し倒した。
「え、悟?」
答える代わりに、手近にあった枕を取る。
「ちょっと、これで顔隠してて」
「……なにそれ」
「いいから」
女は少し不満そうな顔をしながらも、言われた通り枕で顔を覆った。
女の脚を強引に押し開いて、沈み込む。
今はもう、目の前の女の顔なんて見たくなかった。
早く。
さっきから燻っているものを、全部どこかへ追いやりたい。
動くたびに、目の前にいる女の姿が少しずつ頭の中から消えていく。
代わりに浮かぶのは。
あの夜の。
触れるたびに揺れた瞳。
戸惑いながら、僕の浴衣をぎゅっと掴んでいた指。
『んぅ……っ、せ、んせぇっ……!』
僕の手の中で、初めて絶頂を迎えた時の声。
目を潤ませて、どうしていいかわからないまま僕を見上げていた顔。
「は、っ……」
気づいた時には、名前が口からこぼれていた。
枕の向こうで、女の身体がぴたりと止まる。
今呼んだ名前が、自分のものじゃないと気づいたらしい。
「……っ、あ、最低」
そんなこと、言われなくても知ってるよ。
だからって、今さらやめる気にもならないけど。
僕はただ欲望を吐き出すためだけに、じゃない身体を抱いた。