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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**


こういう割り切った関係には向こうも慣れている。
余計なことを求めてこないし、後腐れもなくて楽だ。


名前は……なんだっけ。
忘れた。

何度か会ってるけど、それ以上でも以下でもない。


ベッドが沈んで、甘ったるい香水の匂いがすぐそばまで近づいてきた。


ネイルを施した指が、僕の胸元を焦らすようになぞる。
でも、僕が何の反応も返さないからか。
女は顔を覗き込んで、むっと眉を寄せた。



「今日、全然乗り気じゃなくない?」



そうなんだよね。

目の前に、普通なら十分その気になれそうな女がいるっていうのに。
しかも、自分から呼び出しておいて。

どうにも気分が乗らない。


女は一瞬呆れたような顔をしたあと、すぐにふふっと笑った。
それから僕のベルトに手をかける。



「じゃあ、私頑張っちゃおうかな」



慣れた手つきで僕のベルトを外し、ジッパーを下ろす。
女は僕の脚の間へ身体を移すと、顔を伏せた。


僕は頭の後ろに手をやって、ぼんやりとその様子を見下ろす。


上手いとか、下手とか。
そういうことじゃないんだよな。
……なーんか、物足りないんだよな。


もし、僕の目の前にいるのがこの女じゃなくて。


だったら――。


あの子、絶対こんなことしたことないだろうな。
セックスだって、たぶんまだ。

僕が頼んだら、してくれるのかな。

いや、そもそも見ただけで固まりそう。

両手で顔を隠して「無理です!」とか言うくせに。
気になって、結局指の隙間から見ちゃうんだろうな。


慣れない手つきで、おそるおそる手を伸ばして。
潤んだ目で僕を見上げながら。

あの小さな口でどうしていいかわからず、見よう見まねで一生懸命動かそうとするかな。
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