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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**


「あ、はい! 今行きます!」



助かった、と言わんばかりに勢いよく立ち上がる。



「……さっきは、助けてくれてありがとう」

「ああ……」



は玉犬をもう一度撫でてから、俺に小さく手を振った。
そのまま、少し早足で補助監督の方へ駆けていく。
その後ろ姿を、なんとなく目で追っていた。


の気持ちが、まだ俺に向いているとは思わない。


あの人がいる。


そんなことは、嫌になるくらいわかってる。
見ていれば、わかる。


だけど、こんなこと今までなかった。
の目に俺が映っている。

あの人だけを追っていた目が、ほんの少しでも俺に揺れている。








「ふーん」



突然、後ろから声がした。
振り向くと、いつの間に来たのか釘崎が立っていた。

腕を組んで、いかにも何か言いたそうな顔で俺を見ている。



「……何だよ」

「あんたたち、なんかあった?」

「……は? なんもねーよ」

「その反応は図星ね」

「…………」



黙るしかなかった。

釘崎はそんな俺を見て、呆れたように眉を上げる。



「そりゃ気づくでしょ。伏黒、前よりのことずっと目で追ってるし。あの子が他の男と喋ってる時なんて、普段の5倍マシで機嫌悪くなるし」

「そんなことは――」

「あるって。さっきだって、助けたあと、いつまで腰支えてんのよ。何あれ」

「…………」



……そんなにわかりやすいのか、俺。
まじか……。


釘崎は呆れたようにため息を吐く。



「まあ、あんたも相当だけど。の方がもっとバレバレだけどね」

「……五条先生のことか」

「あれで隠してるつもりなの、逆にすごいわよね」



釘崎はが走っていった方をちらりと見た。
それから、俺の方へ視線を戻す。
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