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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**


「大丈夫か?」

「……う、うん。ありがとう」



怪我でもしてないかと思って、の顔を覗き込む。
思ったより、顔が近くなった。

すると、が俺から咄嗟に視線を逸らした。



「い、今……」

「何」

「今、唇カサカサだから……」

「…………は?」



何の話だ。

そう思った直後、の顔が一気に赤くなった。



「ち、違う! そういう意味じゃなくて!」

「どういう意味だよ」

「だから、違うの!」

「何も言ってねぇよ」

「言ってないけど、顔が言ってる!」

「……何が」

「だから……っ、もう!」



そこでようやく気づいた。


……こいつ。
俺がキスすると思ったのか。


そう思った途端、今度はこっちまで妙に顔が熱くなる。
嫌われているわけでは、ないらしい。

少なくとも。
本気で嫌なら、こんな反応はしないはずだよな。
つーか、カサカサじゃなければして良かったのかよ。



「……別に」

「え?」

「カサカサでも、ならキスしたくなる」

「はわっ……あ、えっ……!?」



の顔が、さっきよりさらに赤くなった。

口をぱくぱくさせたあと、何か言おうとして、結局何も言えないまま固まっている。



「な、な、なんでそういうこと言うの……!」

「お前が先に言ったんだろ」

「だから、それは……!も、もう〜〜っ!」



そう言うなり、は逃げるみたいに足元の玉犬の前へしゃがみ込んだ。



「よしよし……玉犬、さっきはごめんね」

「…………」



露骨に話変えたな、こいつ。

玉犬は何もわかっていない顔で、差し出された手に素直に頭を擦り寄せた。

はその頭をわしゃわしゃ撫でながら、頑なにこっちを見ようとしない。



「……こっち見ろよ」

「玉犬、今日もかわいいね〜」

「おい、無視すんな」

「…………」





「さーん、ちょっといいですか」



少し離れたところから、補助監督がこちらに向かって声をかけてきた。
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