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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**


𓂃 side:伏黒恵 𓂃



あの日から、の様子がおかしい。


廊下で二人きりになりそうになると、急に歩く速度が速くなる。
俺が隣に座れば、さっきまで普通に喋っていたくせに急に口数が減る。

目が合えば、びくっとして逸らされる。


これは。
避けられている、と言った方が近いのかもしれない。



『……ちゃんと、伏黒くんを見るよ』



あの夜、はそう言った。


でも、その場の空気に流されて言っただけで。
一晩経って、冷静になったら、やっぱり嫌になったのかもしれない。

俺に告白されたこと。
俺に触れられたこと。
俺にキスされたこと。


その全部を、後悔しているのかもしれない。
俺が勝手に距離を詰めすぎたせいで、嫌われたのかもしれない。



「」

「は、はいっ! ど、どのようなご用件で」

「……なんで、敬語」



名前を呼んだだけでこれだ。
こんなことになるくらいなら、ただの同級生のままの方が良かったのだろうか。

そう思うくせに、結局、のことを目で追うのをやめられなかった。

避けられているのか。
それとも、意識してくれているのか。

わからないまま、数日が過ぎた。






別の日の訓練中。

は俺が出した玉犬の動きを避けようとして、足を滑らせた。



「っ……!」



咄嗟に腕を伸ばして、腰を支える。

けれど、思っていたより勢いがついていたせいで、の身体はそのまま俺の方へ倒れ込んできた。


近い。
あの、旅館の時みたいに。

息がかかるくらいの距離で、と目が合った。
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