第6章 【五条悟】勿忘草の悪魔 Ⅲ**
「ひゃあっ!?」
尻尾が敏感なのは知っている。
知っているけど。
五条さんの指で触られると、全然違う。
先の方を撫でられるだけでお腹の奥がきゅっと疼いて、根元へ近づくたびに、ぞくぞくと甘い快感が身体中に広がっていく。
「いじわる……っ、ん、ぁあっ……」
「……、可愛すぎ」
「ふぇ……?」
「ずっと我慢してた僕、えらすぎだろ」
「…………え?」
ずっと、我慢?
五条さんが。
私に、こんなことするのを?
そんなわけない。
だって五条さんは、私じゃ勃たないって言ったんだから。
五条さんが私を好きだって言って。
可愛いって言って。
こんなふうに触ってくれるなんて。
現実で、そんな都合のいいことが起きるわけがない。
うん、やっぱり夢だ。
夢ならいい。
夢なら、遠慮する必要なんてない。
私はおずおずと両腕を持ち上げて、五条さんに向かって広げた。
「……ぎゅって、してほしいです」
「今日の、随分欲張りだね」
「だって……嬉しくて」
「そっか」
五条さんがふっと笑って、私の身体を腕の中へ引き寄せた。
そのまま胸元へ抱き込まれて、頬が五条さんの肩に触れる。
あったかい。
精気をもらわなくても、こんなふうに五条さんに抱きしめてもらうだけで身体がポカポカしてくる。
嬉しくて、私も五条さんの背中へそっと腕を回す。
すると、それに応えるように、もう一度唇が重なった。
今くらい、思いっきり甘えてもいいよね。
夢なんだもん。
ずっと聞きたかったことも、聞いていいよね。
「……五条さん」
「ん?」
「私のこと、好きですか?」
「好きだよ」
「い、一番?」
「一番」
「……大事な子?」
「すっごく大事な子」
「……えへへ」
だめだ。
幸せすぎる。
夢の五条さん、最高です。
ずっとこのまま、この腕の中でとろけていたい。
そう願いながら目を閉じると、ふっと温もりが遠ざかった。