第6章 【五条悟】勿忘草の悪魔 Ⅲ**
今度はさっきより深く。
唾液と舌を絡ませて、少しずつへ流していく。
これだけあげれば、いつもならとっくにふにゃふにゃになってる頃だ。
なのに、今日は目すら開かない。
「どんだけ取られてんの」
唇からじゃ追いつかない。
だったら、もっと効率のいい方法を取るしかない。
最初の夜に、が持ち出してきた分厚いマニュアルを思い出した。
『効率的な精気の抽出には、粘膜接触、および体液の交換が強く推奨される』
キスよりも。
もっと直接的に精気を渡す方法。
あの時は、できるわけがなかった。
初仕事だなんて言って。
キスすらしたことないくせに、真っ赤な顔で「精一杯頑張ります」なんて。
何も知らないまま、自分を差し出そうとするを。
そんな簡単に抱けるわけないでしょ。
「君じゃ勃たない」なんて、言い方をしたけど。
ああでも言わなきゃ、この子は本当に最後までやろうとしただろうし。
……ほんと。
最初の契約者が僕でよかったよ。
「……マジかぁ」
やるしか。
「……ないか」
そう呟いたものの、すぐには手を伸ばせなかった。
別に、今さらに触れることが怖いわけじゃない。
むしろ――。
そこまで考えて、やめた。
僕はベッドに上がり、の身体を跨ぐように膝をついた。
が着ているのは、僕が渡した部屋着のパーカー。
そのファスナーに指をかけ、下ろしていく。
「僕、こういう趣味ないんだけどなぁ……」
頭を掻きながら、小さく息を吐いた。
が穿いているショートパンツのウエストへ、指をかける。
「だからさ」
その手を止めたまま、眠るの顔を見た。
「……今度は、ちゃんと起きてよ。」