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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第6章 【五条悟】勿忘草の悪魔 Ⅲ**


𓂃 side:五条悟 𓂃



軽い。
腕の中のは、嫌になるくらい軽かった。

いつもなら、抱き上げれば尻尾を僕の腕に絡ませてくる。
「急に何するんですか」って文句を言いながら、嬉しいのは全然隠せてない。


なのに今は。
腕から垂れた尻尾は、ぴくりとも動かない。


やめてよ。
そういうの。

僕、それ知ってるから。




マンションに着いても、は一度も目を覚まさなかった。
寝室へ向かい、ベッドに腕の中の身体をゆっくりと下ろす。

頭を枕へ乗せて。
背中に折り畳まれていた羽を潰さないよう、身体の向きを少しだけ整えた。


白いシーツの上に横たわるを見下ろす。


顔色が悪い。


いつもは僕が触れるだけでうるさいくらい動く尻尾も。
感情に合わせてぴくぴくする羽も。
それどころか、自身まで。

身体の輪郭がうっすら透けて、今にも消えてしまいそうだった。


術師にやられたか。
それとも同族に巻き込まれたか。

だから、家から出るなって言ったのに。



「ほんっと、何してんの」



が僕との約束を破ってまで外に出る理由なんて、そう多くない。
自分のために危ない橋を渡るタイプじゃない。



「……どうせ、誰か助けに行ったんでしょ」



そういうところ。
変わんないよね。


胸元の服には、穴が開いていた。
その下に残っている、赤黒い傷。


傷の周りにそっと指先を添えても、反応がない。

それだけでわかる。
精気がほとんど残ってない。

前にベッドで倒れていた時より、ずっと酷い。
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