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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第6章 【五条悟】勿忘草の悪魔 Ⅲ**


五条先生は間違いなくモテるし、女性に困っているようにも見えない。
なんとなく、適当に遊んでいそうなイメージはある。

でも、特定の誰かを彼女にして、真面目に付き合っている姿はどうしても想像できなかった。



「悟だって男だぞ。彼女くらい作るだろ」

「そういう話じゃねぇよ」



真希さんが呆れたようにパンダくんを見る。



「悟が誰か一人に合わせて、毎日せっせと家に帰るかって話だ」

「あー……」

「スマホ見てニヤニヤして、爪まで整えて?」

「…………」

「そこまで言われると、逆に怖くなってきたな」



パンダくんが神妙な顔で頷く。


僕も、なんとなく五条先生の姿を思い浮かべた。

いつも自由で、好き勝手に動いている先生が、誰か一人のために生活まで変える。

僕の知る五条先生からすれば、それはかなり珍しいことに思えた。


そこまで誰かのために変わるってことは――。


















「……相当、好きなんじゃない?」







考えていたことが、そのまま口から零れた。



「…………」

「…………」

「…………」



真希さんが鼻で笑い、ひらひらと手を振った。



「いやー、悟に限ってないない。絶対ない」

「そうだな。憂太の呪力感知、超ザルじゃん」

「おかか」

「えっ、それ今関係ある!?」



さっきまであれだけ盛り上がっていたのに、三人とも急に否定し始めた。

……そんなに、五条先生が誰かを本気で好きになるのって想像できないのかな。



「おーーい。お前ら、いつまで休んでる」



振り返ると、少し離れたところで、木刀を持った日下部先生が面倒くさそうに立っている。



「ま、考えすぎだろ。戻るぞ」



真希さんが軽く首を鳴らしながら立ち上がった。
パンダくんと狗巻くんも、それに続いてグラウンドの方へ歩き出す。



「ほら憂太、置いてくぞー」

「しゃけ」

「あ、うん。今行くよ」



僕もベンチから立ち上がり、手元のスポーツドリンクを見つめた。


みんなは気のせいだと言って笑っていたけれど。
僕の気にしすぎ……なのかな。
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