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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第6章 【五条悟】勿忘草の悪魔 Ⅲ**


「何かわかったの、パンダくん?」

「うんうん。あれしかないな」

「パンダ、もったいぶらずに早く言え」



真希さんが苛立ったように眉を寄せる。

するとパンダくんは、なぜか周囲をちらりと見回したあと、僕たちに向かって手招きをした。



「ったく」

「いいから、いいから」



僕たちはパンダくんの周りへ顔を寄せたところで、パンダくんは声を潜めた。














「……女だな」

「…………」

「…………」

「…………」
















「せ、先生に恋人が!?」



つい大きな声を出してしまった。



「声でかいぞ、憂太」

「ご、ごめん……!」



慌てて口元を押さえる。
パンダくんはそんな僕を見て、得意げに一本ずつ指を立てた。



「考えてみろ。毎日のように高専じゃなくてマンションに帰る。スマホ見てニヤニヤする。爪まで綺麗に整え始めた」

「…………」

「これはもう、女以外考えられないじゃーん。いやぁ、春だな。今、夏だけど」

「しゃけしゃけ」



狗巻くんも、なぜか嬉しそうに何度も頷いている。



「家に帰るのと、スマホ見てニヤニヤしてんのは、まあ女って言われりゃわからなくもないけど。爪は関係なくねぇか? なんで爪整えてたら女なんだよ」



真希さんが、ふと口を挟んだ。



「あ、それは僕も思った」



僕が頷くと、パンダくんは「わかってないなぁ」とでも言いたげに首を振った。



「そんなの決まってんじゃーん」

「何がだよ」



パンダくんはにやりと笑う。



「あれを、アレするためよ」

「…………は?」

「…………」

「…………こんぶ」



あれを。
アレ。


も、もしかして……。



「憂太、顔真っ赤だぞ」

「ぱ、パンダくん。言わないで……!」



真希さんはまだよくわかっていないのか、怪訝そうに僕とパンダくんを見比べている。



「でもよ、あいつ……特定の彼女とか作るタイプかぁ?」

「…………」

「…………」



言われてみれば、真希さんの言う通りかもしれない。
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