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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第5章 【五条悟】勿忘草の悪魔 II**


「……祓われ、てる?」



先輩が言った言葉を、そのまま繰り返す。

祓う。
それって。



「私たち……呪術師に、殺されるってことですか?」

『そういうことよ』

「な、なんで急に……っ」

『ごめん、新人ちゃん。詳しく話してる時間ないの』



電話の向こうから、慌ただしい足音が聞こえた。
いつもの余裕たっぷりな先輩の声じゃない。



「先輩……?」

『誰かが、私たちの情報を呪術師に流したみたいなの』

「……情報?」

『契約者のことも、活動場所も。かなり知られてる。じゃなきゃ、こんな一斉に狙われるなんてありえないわ』

「…………」



誰かが。
呪術師に、淫魔の情報を流した。



『あと、会社の情報、ちょっと流してもらうために』

『それ、スパイじゃないですか!?』



五条さんと初めて契約を交わした夜の会話が、鮮明に蘇る。


私は、五条さんに何を話した?

会社のこと。
淫魔の仕事のこと。
精気を集めていること。
契約の仕組み。

だけど、私が知っているのは会社の仕組みや仕事のことくらい。
他の淫魔がどこにいるのか。
誰と契約しているのかなんて、新人の私にはわからない。


五条さんも、そこまで私に何か聞いてきたわけでもない。


じゃあ、どうして。

私が話したことだけで、こんなことになるとは思えない。


それでも。
私には、自分は関係ないなんて言い切れなかった。



「……私……」

『新人ちゃん?』



言った方がいいかも。

もしかしたら。
私かもしれないって。

でも、喉に何かが張りついたみたいに声が出ない。



『とにかく、新人ちゃんも早く逃げなさい』

「え……」

『契約者のところだって安全とは限らないわ。あんた、まだ新人なんだから、呪術師に見つかったらどうにもならないでしょ』

「で、でも、先輩は……?」

『私は大丈夫』

「全然、大丈夫そうに聞こえません!」



けれど、その直後。
電話の向こうで、何かが激しくぶつかる音がした。
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