第5章 【五条悟】勿忘草の悪魔 II**
***
五条さんが宣言した『特別課外活動』。
それは開始早々、想像していたよりもずっと過酷なものだった。
「はい、の分」
「…………」
本日三つ目となるスイーツ、クレープを渡された。
特盛の生クリーム。
イチゴ。
さらに追い打ちみたいにチョコソース。
(うぷっ……)
そんな私の隣で、五条さんは幸せそうに自分のクレープに齧り付いている。
「あの……五条さん。私、もう本当にお腹がはち切れそうなんですけど……っ」
「えー? まだタワーパンケーキと、フルーツパフェしか食べてないじゃん」
「普通の人間は、それを『しか』とは言いません! さっきのパンケーキ、私の顔より大きかったですよ!?」
「いやー、あれ美味しかったよね。外はカリッと中しっとりでさ」
「レビューを聞きたいわけじゃないです……!」
「、ちゃんと覚えといて。僕、パンケーキはふわしゅわ系より、昔ながらの厚みがあってしっとりしてる方が好きだから」
「なぜ今、五条さんのパンケーキの好みを叩き込まれているんですか……?」
「だって、今日は『僕のことを教えてあげる』日だからね。ほら、ちゃんとメモして」
「メモするほど重要な情報ですか……!?」
そんなことを言っている間に、五条さんはあっという間にクレープを完食していた。
そして、もう次の店を探しているのか、周囲をきょろきょろと見回している。
す、すごい食欲。
これだけ食べても平然としているなら、五条さんの精気が多いのもなんか納得できる。
私は渡されたクレープをもそもそ食べながら、こっそり五条さんを盗み見た。
今日の五条さんは、いつもの黒い服に目隠しではなく、白いシャツに黒のジーンズ、サングラスという格好だった。
背は高いし。
脚は長いし。
顔はかっこいいし。
ただ歩いているだけなのに、すれ違う人たちの視線を自然と集めてしまう。