第5章 【五条悟】勿忘草の悪魔 II**
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翌朝、目を覚ますと身体が動かなかった。
(金縛り……なわけないか)
背中に、あたたかい体温がぴったりと重なっていて。
腰には、大きな腕がしっかり回されていた。
(ま、まさか……)
身体を少しだけよじって振り返ると、すぐ目の前に五条さんの寝顔があった。
なっ、か、かっこいい。
寝顔まで整ってるとはどういうこと!?
でも、目隠ししてない寝顔、初めて見たかも。
ほんと、男の人とは思えないくらい綺麗なお顔。
まつ毛は長いし、肌もツヤツヤ。
五条さんの唇はいつも潤ってる。
どんなスキンケアをしているんだろうか。
……いや、今そこを見るべきじゃない。
そういえば。
なんで私、五条さんのベッドで寝てるの?
昨日の夜、何度もキスをして……どうなったんだっけ?
それに、繋がれた手はそのままだった。
寝ているのに、まるで離す気なんてないみたいに、ぎゅっと握られている。
どうしよう。
動けない。
というか、動いたら五条さん起こしちゃうよね。
いや、起こす前に私の心臓が先に止まる。
そう思っていると、視界の端で何かがゆらりと動いた。
……尻尾だ。
私の尻尾は五条さんの頬にぴとっと触れていた。
それどころか、すりすりと飼い主に甘える猫みたいに頬を撫でている。
「~~~~っ!?」
何してるの!!
昨日から自由すぎるんだけど!!
引っ込めようとしたけれど、尻尾は私の意思なんて聞く気もないみたいに、五条さんの頬へもう一度すり寄っていく。
五条さんの睫毛がぴくりと揺れて、目を閉じたまま、少しだけ口元を緩めた。
「……朝から懐いてるね、の尻尾」
「お、起きてたんですか……!?」
「今起きた。尻尾に起こされた」
「す、すみません……っ!」
「いいよ。可愛いし」
そう言いながら、五条さんが目を開けた。
朝の光を受けた青い瞳が、すぐ近くで私を見つめる。
それだけで、心臓がドキドキしてうるさい。
目隠ししてる方が、良かったかも。
直視できない。
すると、五条さんが私の尻尾の先を、ちょん、とつついた。