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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第5章 【五条悟】勿忘草の悪魔 II**


「~~~~っ!!」



嘘つきな私の言葉とは裏腹に、欲望むき出しで五条さんにすがりつく自分の尻尾。


尻尾のばか!!
さっきまで元気なかったくせに!


尻尾を引き剥がそうとするけれど、尻尾は五条さんの手首に巻きついたまま、微動だにしない。



「ち、違いますっ……これは、その……っ」



必死に言い訳を探していると、五条さんがふっと笑った。
その笑顔が、思ったより近くにあって。



「え……」



五条さんの手が私の後頭部に回る。
身体ごと引き寄せられて、気づいた時には唇を塞がれていた。



「んっ……!」



甘い精気が、一気に流れ込んでくる。


五条さんに触れられるの、本当はまだ少し怖い。
なのに、身体の奥から待っていたみたいに熱を取り戻していく。

押し返そうとした手は、五条さんの服の胸元を力なく掴むことしかできない。



「……っ、ごじょ……ぁ、んっ……」



名前を呼ぼうとした声ごと、もう一度深く塞がれる。
五条さんに覆いかぶさられ、背中からベッドに押し倒された。

毛布が肩から滑り落ちる。


尻尾を掴んでいた私の手を五条さんが外すと、その長い指を私の指の間へ滑り込ませた。

指と指が深く絡み合い、ぎゅっと隙間なく握り込まれる。
そのまま、シーツに縫い留められるみたいに押さえられた。



「んっ……ぁ……っ」



薄く目を開けると、離れたばかりの唇のすぐ上で、五条さんが青い瞳を細めて笑っていた。



「尻尾じゃなくて、こっちで捕まえてなよ」



そう言って、五条さんはもう一度キスを落とす。


いいの?

私が。
この手を、握り返しても。

もう少しだけ。
離したくないって、思っても。


恐る恐る握り返すと、五条さんも私の手をぎゅっと握り返してくれた。



だめなのに。

また甘えてしまう。


五条さんは、私を他の淫魔と同じようには見ていないのかもしれないって。
私だけは、そばにいても許されるのかもしれないって。

そんなふうに、また勘違いしてしまう。


私は、217番の淫魔。
なんて名前じゃない。
五条さんとの契約が切れれば、何も残らない。


ごめんなさい、神様。

五条さんの特別になりたいなんて、言わないから。



今だけは。









この手を握ることだけは、許してください――。
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