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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第5章 【五条悟】勿忘草の悪魔 II**


薄く目を開けると、ぼやけた視界の向こうに、白い髪が揺れていた。


私の頬を包む、大きな手。
すぐそばにある、吐息。


誰かが、私にキスをしていた。


(五条さん、だよね……)


私の意識が戻ったことに気づいたのか、五条さんは唇を離す。

いつもは黒い布で隠されているはずの目元が、今は露わになっていた。
長い白い睫毛に縁取られた瞼が、ゆっくりと持ち上がる。


その瞬間、私は息をするのを忘れてしまった。


青い。

ただ青いだけじゃない。

空みたいで、海みたいで、宝石みたいで。

見つめられていると、どこまでも深く覗き込まれているような……って、そ、そうじゃなくてっ!?


身体を起こし、毛布を握りしめたまま後ずさる。



「だ……だれ……?」



口からこぼれ落ちた私の第一声に、その美しい青い瞳が不満げに細められた。
そして、私の鼻先を指でピンッと軽く弾く。



「あぅっ……」

「グッドルッキングガイ、五条悟ダヨ〜。、契約者の顔忘れちゃったわけ?」



その声と、ふざけた言い回しを聞いて、ようやく私の頭の中で『目の前の信じられないくらいかっこいい人』と『いつもの五条さん』が結びついた。



「え、ええええっ!? ご、五条さん!?」



私がすっとんきょうな声を上げると、五条さんは呆れたように肩をすくめる。



「ちょっと、そんなに驚く?」

「いや、だって……あまりにも違いすぎて……」



私は落ち着かなくて、チラチラと五条さんの顔を盗み見た。


五条さん、めちゃくちゃイケメンなんですが!?

こんな素敵なお顔なのに、どうしていつも隠してるんだろ。
あっ……モテすぎて困るとか。
ありえる。



「それより、」



五条さんの手が伸びてきて、親指の腹が私の頬をそっと撫でた。
さっきまでのキスとは違う、ひどく慎重な触れ方。



「これは一体どういうこと?」
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