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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第5章 【五条悟】勿忘草の悪魔 II**


早く帰ろ。
五条さん、もう帰ってきてるかな。
一緒に食べられたらいいな……なんて。


そんな浮かれたことを考えながら、私はコンビニを後にした。
レジ袋の中の二つのカップが傾かないように気をつけながら、マンションへ戻る。

その途中だった。



「あれ……?」



少し先の通りに、見覚えのある白い髪が見えた。
黒い目隠しに、すらりとした長い手足。


五条さんだ。


それに、五条さんの周りには、制服姿の高校生らしき三人がいる。
男の子が二人と、女の子が一人。

三人とも、どこか普通の高校生とは違う雰囲気をまとっていた。


(五条さんの生徒さん、かな……?)


五条さんはにこにこ笑いながら、三人に何かを話していた。

何を話しているのかまでは聞こえない。


けれど、生徒さんたちは呆れたような顔をしたり、楽しそうに笑ったりしている。


私の知らない、先生としての五条さん。
胸の奥が、またちくっとした。


やがて、路肩に停まっていた黒い車のドアが開いた。
いつか、五条さんが乗って帰ってきたのと同じ車だ。


生徒さんたちは五条さんに何か声をかけて、次々に車へ乗り込んでいった。
ひらひらと手を振りながら、五条さんが車を見送る。


(……五条さんは、乗らないの?)


車が走り去るのを見届けると、五条さんはふいに踵を返した。

向かった先は、マンションではない。
明るい通りから外れた、薄暗い裏路地だった。


……どこに行くんだろう。
お仕事、まだ終わってないのかな。


契約者さんのプライベートに、むやみに首を突っ込んではいけない。
それは、専属淫魔として最低限のマナーだ。


わかっている。
わかっているのに。

五条さんの背中から、どうしても目が離せなかった。


レジ袋の持ち手を握り直す。
気づいた時には、私は五条さんの後を追っていた。
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