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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第4章 【五条悟】勿忘草の悪魔**


「あんなに気持ちよくしておいて、生殺しすぎます!」

「もう時間だ。さー、仕事仕事」



私の必死の訴えも虚しく、五条さんはへらへらと笑いながら、あっさりとベッドから降りてしまった。
手早く身支度を整えると、そのまま寝室を出ていく。


(うぅ……やっぱり、私には先輩みたいな大人の色気がないからかな……)


むぅーっと頬を膨らませて、シーツに顔を埋める。


しばらくすると、五条さんが私の買ってきたパンの紙袋を片手に、寝室のドアからひょいっと顔を覗かせた。



「これ、もらってくよ。今日はもう帰ってこれるかわかんないから、先寝てて」

「……はーーーい」



私はベッドの上から、完全にふてくされた声で返事をした。


専属淫魔としての自信、見事に粉砕されました。
もう今日は、一日中ネトフリ見てベッドでいじけてやるんだから。

すると。
五条さんが寝室の前から立ち去る直前、ふと足を止め、振り返った。



「あ、言い忘れてた」

「……なんですか」

「そのワンピース、似合ってる。、かわいいよ」



ひらひらと手を振って、五条さんは足早に玄関へと消えていった。


ガチャッ、……パタン。
玄関のドアが閉まる音が聞こえる。














「…………ぇ」



か、可愛いって言った!?
あの五条さんが!?
私のこと、かわいいって!?!?


ドクン、ドクン、ドクン!!

さっき絶頂を迎えた時とは全く違う理由で、心臓がうるさい。
顔中が一気に沸騰したみたいに熱くなる。



「な、ななな、何これーーーーっ!!?」



私は枕を抱きしめながら、広いベッドの上をあっちへこっちへとのたうち回った。

尻尾も嬉しさを隠しきれない犬のように、ものすごい勢いでぶんぶんと空を切っている。


さっきまで、えっちしてもらえなかったことが悔しくて、専属淫魔としての自信もぺしゃんこになっていたはずなのに。

「かわいい」と言われただけで、そんなこと全部、ふわふわとどこかへ飛んでいってしまった。


精気をもらった時とは違う。
胸の真ん中が、甘くて熱いものでいっぱいになるような感じ。

やっぱり、五条さんは不思議な人だ。
五条さんさんに褒められただけで、こんなに嬉しくなるなんて。


先輩。
私、淫魔としてなにかがおかしいかもしれません。
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