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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第3章 【伏黒恵】君に響くカンパニュラ**


「えっとね、これ。画面交換でこのくらいかかったの」



差し出された領収書に書かれた金額を確認して、俺は財布を取り出した。



「これでいいか?」



必要な分だけ金を渡すと、同級生はすぐににこっと笑って受け取る。



「ありがとう。助かる」

「じゃ」



用件は済んだ。
これ以上ここにいる理由はない。

財布をしまい、背を向けようとした時だった。



「え、もう? せっかく会えたんだし、少しくらい話そうよ」



同級生の手が、俺の腕を掴んだ。



「話すことないだろ」



そう返すと、相手は少しだけ唇を尖らせた。



「伏黒くんって、昔からそういうところあるよね。そっけないっていうか」



知らねえよ。
お前が俺の何を知ってるんだよ。

そう言いかけて、飲み込む。

ここで揉めても面倒だ。



「用件が済んだなら、帰る」

「待ってよ。さんと伏黒くんって、どういう関係なの? 付き合ってるとか?」



急に出てきたの名前に、つい同級生の顔を見てしまった。



「……お前に関係ないだろ」

「付き合ってないなら、私にもチャンスあるかなって思って」



その言い方に、余計に気分が悪くなる。

チャンスとか。
なんで、俺とどうにかなれると思ってるんだ。

つーか、思い出した。
こいつ、中学の時……の筆談用のノートを隠して、泣かせたやつだ。
声が出せないのことを裏でコソコソ笑ってやがったな。



「ない」

「即答ひどくない?」

「帰る」



掴まれた腕を外そうとした瞬間、同級生がさらに距離を詰めてきた。



「待ってってば」



掴むだけだった手が、今度は俺の腕に絡みつく。
甘い香水の匂いが近づいて、柔らかい感触が押し当てられる。


気持ち悪い。
そう思ったのが、顔に出たのかもしれない。



「えー、そんな怖い顔しないでよ。ねえ、伏黒くん」



腕に絡みつく力が、さらに強くなる。
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