第24章 別離
やがて、執事が新しいお茶を運んできた。
ゼノは茶の香りを確かめ、満足そうに頷いた。ミルキは次の菓子箱を開け、キキョウはライネルから届いた品々を一つずつ眺めている。
シルバも椅子に腰を下ろし、執事から茶を受け取った。
貰った布をチェストにしまうと、ニナは空いている席に戻った。
白い皿に残っていた薄く焼かれたクッキーを一枚取って口に運ぶと、ほろりと崩れた生地からバターの甘い香りが広がった。
窓から差し込む陽射しがテーブルの端を照らす。そこには、いつの間にかカルトと摘んだ小さな花束が飾られている。細いガラスの花瓶の中で白と淡い紫の花が寄り添っていた。
ニナは温かいお茶を一口飲んだ。
それから、もう一度、花束を眺めた。
(……今夜、刺繍の続きをしよう)
ウサギの耳を、もう少し上手に縫えるようになりたかった。