第24章 別離
「殿下から何かご用がおありでしたら、こちらから出席するよう申しつけることもできますが」
「え?」
「王家からの要請となれば、先生も可能な限り予定を調整なさるでしょう」
エレオノーラは、しばらく考えた。
王女として命じれば、イルミは来るのだろう。どれほど忙しくても、王宮からの正式な要請を無下にはできない。
けれど、それでは。
「……いいの」
「よろしいのですか?」
「そういうことではないから」
命じて来てもらいたいわけではなかった。王女だから会えるのでは、意味がない。
「殿下?」
「なんでもないわ」
エレオノーラは新聞を閉じた。
「次のお客様は、どちらの国の方?」
執事が手元の予定表を開く。
「明後日には、北方の公国より使節の方々がお見えになります。その翌週には……」
エレオノーラは静かに説明を聞いた。
誰と会い、何を話し、どのように振る舞うべきか。
これから先も、そうしたことを一つずつ覚えては、こなしていかなければならない。
それが王女としての自分の役目だった。