第23章 喝采のあと
「王女様〜!! すげー、今俺のこと見てたぜ!! やっぱり綺麗だな」
キルアが嬉しそうに声を上げる。
ニナも笑った。
馬車はそのまま進んでいく。
人々の歓声に包まれながら、エレオノーラは遠ざかっていった。
ニナはその後ろ姿を見ていた。
何千人もの人が彼女の名前を呼んでいる。
楽隊がまた演奏を始めた。
イルミの旋律だった。
王女の馬車が遠ざかっていくその後ろを、イルミの音楽が追いかけて遠ざかっていく。
ニナは手の中に残ったチョコレートを見た。
「ニナ!」
少し先でキルアが振り返った。
「あっちで射的できるって。行こうぜ」
「射的?」
「景品あるって!」
ニナはもう一度だけ、馬車の消えた方を見た。
それから、「うん」と答えて、キルアを追いかけた。
祭りは、まだ始まったばかりだった。