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【H×H イルミ】黒と白のアリア

第22章 幕開け


二幕。

物語は、やがて宮廷の外へ出ていった。


焼けた村があり、帰らなかった兵士がいた。

夫の死を知らされないまま手紙を待ち続ける女と、父親の顔を忘れかけている子どもがいた。


戦場では、もっと多くのものが失われていた。
泥の中を進む兵士たち。

砲撃に伏せ、立ち上がり、また走る。

隣にいた者が倒れても、振り返ることさえできない者たち。

その一方で、崩れた陣地から仲間を担いで戻った者がいた。

命令に背いてまで部下を逃がした者もいた。
最後まで持ち場を離れなかった者がいた。
戦争の中には、確かに勇敢と呼ぶほかない瞬間があった。


その一つに、敵国の若い将校の姿があった。
敗走しかけた部隊を立て直し、自ら先頭に立って兵を率いた。

彼の働きによって守られた場所があり、生きて帰った兵士がいた。
人々は彼を英雄と呼んだ。
だが、その命令の下で死んだ兵士もいた。


やがて戦争は終わる。
商人は戦後の新しい商路について話し、町では久しぶりにパンの値段が下がった。
荷馬車が行き交い、店に品物が戻った。

戦争中には空だった市場に、また果物が積まれるようになった。
それもまた、嘘ではなかった。


戦争によって地位を得た者もいれば、何もかも失った者もいた。
誰か一人を称えれば済むほど単純でもなく、
誰か一人を憎めば片づくほど単純でもなかった。

そうして物語は、戦争のさまざまな顔を通り過ぎていった。



その間にも、王都では祝賀の準備が進んでいる。
兵士たちは凱旋する。
王女は花冠を受け取る。

戦争は終わった。
国は勝った。
その事実だけは、誰にも覆せなかった。

第二幕が閉じようという時、開演前に眠ると言っていた男は身を乗り出して舞台を見ていた。
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