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【H×H イルミ】黒と白のアリア

第13章 Interlude(間奏)※一部、微裏あり


イルミはニナの寝巻きから自身の手を引き抜き、それから口を抑えたもう一方の手も除ける。

「な、な、な……!」

言葉を失って自分を見上げるニナにイルミは悪びれた様子もなく言い放つ。

「起こそうとしただけ」

真っ赤になったニナがソファからずり落ちそうなまま硬直する。

イルミは至近距離のまま、その反応をじっと見つめていた。

「……」

「な、なんでしょう……?」

「いや」

イルミは黒い目をパチクリとさせる。

「反応が新鮮で」

「え……?」

「エレオとあまりにも違うから」

「……エレオ?」

「歌手で俺の生徒。今度のオペラでアリアを歌うんだ」

そう言いながら、イルミはスッと立ち上がる。

ニナは乱れた寝巻きのまま固まっていた。

「そ、そうですか……」

「気になるの?」

「い、いえ、別に……!」


イルミはじっとニナを見る。

それからぽん、と頭を撫でた。

「…………」



ニナの眉が寄る。

寝てるところを無理やり起こされたからか、妙に不快感が込み上げてくる。

なんだろう、この感じ。
なんかモヤモヤする。

けれど理由が上手く言葉にならない。

ニナは頭上のイルミを睨むように言った。

「……おやすみなさい」

「おやすみ」

言いながらイルミはニナの頭に置いた手を退ける。


ニナは逃げるように立ち上がり、ぱたぱたと足音を立てながら去っていく。その背中を、イルミはぼんやり見送った。


「俺も寝よーかな」

イルミは久しぶりに熟睡できそうだった。



その後。
ニナは会うたび露骨にイルミを避けるようになった。

廊下で会えば引き返し、目が合えば明後日の方向を見る。

「照れてるのかな」

イルミは少し考える。

まあ、いいか。

今は無闇にニナへ近付かない方がいい。
どうせあっちもこっちも、何処かから見張られている。
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