第27章 開幕のコン・フォルツァ【人外魔境新宿決戦】
二十を超えるモニターを繋いだ、もはやタワーとも呼べる装置の周りに、各々椅子を持ち寄り、高専メンバーはそこに映される五条と宿儺の戦いを見守っていた。
ちなみにこれは冥冥の意向により、課金することで自身のスマホを使って観戦することも可能である。
『無下限呪術で絶対不可侵を持つ五条に対し、宿儺は【領域展延】で術式を中和する手を打ってきた……か』
腕を組んで二人の戦いを分析するメカ丸に、「【領域展延】……」と脹相が小さく呟く。
「メカ丸くんが見せてくれた映像にもあった、渋谷で特級呪霊が五条先生に使った【無下限呪術】対策ですね」
「確かに、五条さんの領域を中和できてる……どういうことだ?」
五条と宿儺の戦いに乙骨が頷く傍ら、秤が首を傾げた。
メカ丸は、自分が傀儡を通して見た映像を高専に提出し、彼らに共有した。渋谷駅での五条と特級呪霊の戦いも当然 含まれている。
秤の疑問に、棒つきキャンディを咥えたまま日下部が口を開いた。
「ウチの【簡易領域】をさらに練り上げた感じだな。術式を付与しない領域を纏うことで、空いた容量に相手の術式を流し込み、中和しているんだ」
「え、日下部さん。できるんですか、【領域展延】」
あまりに詳しい解説に順平が尋ねると、「なめんな。できるわけねぇだろ」ときっぱりとした答えが返ってくる。
その隣では、「感覚としては理解できる」と考えながら、日車が画面を見つめていた。
『展延のデメリットとして、生得術式との併用ができないことがある』
「それは宿儺も例外ではないようですね」
『仮に【無下限呪術】を展延以外の手で攻略されることがあれば――負けるよ、五条 悟は』
“天使”と華の会話に、「つーか」とミニサイズになったパンダが呆れたように割って入る。
「それって、ほぼ術式なしで悟とやり合えてるってことだろ」
パンダの話を聞かず、星良は“天使”の言った『展延以外の手で攻略される』という言葉に引っかかりを覚えていた。