第26章 そして、スランチオに始まる【予兆/人外魔境新宿決戦】
「明太子」
炎で照らされた薄暗い廊下を歩きながら、乙骨は狗巻に「大丈夫」と頷いた。
「狗巻くんの腕のことだよね。総監部には虎杖くん抹殺任務に任命されるために話たけど、本人には伝わってないよ」
『懸命な判断だナ。直接 現場にいた神ノ原 星也ですら、宿儺の残虐行為を止められなかった責任を感じている様子だっタ。虎杖本人が感じる絶望はそれ以上だろウ』
カシャンッと音を立てながら、メカ丸も後ろからついてきている。
「しゃけしゃけ」
「そうだね」
あれは宿儺がやったことだ。
星也が責任を感じることはないし、ましてや虎杖が背負うべきことでもない。
「いくら」
「うん。メカ丸が回収してきてくれたおかげだね」
『神ノ原 星良に取り次げればと思っての行動だったんだがナ』
と淡々と語るメカ丸の声には、どこか悔しさが滲んでいる。
「……すじこ」
「……ありがとう。“使わせてもらうよ”」
* * *