第26章 そして、スランチオに始まる【予兆/人外魔境新宿決戦】
「……なるほど。伏黒の姉の受肉発覚と同時に、虎杖の中で大人しくしていた宿儺が動き出した。そして、伏黒へ受肉しようとしたところ、すでに施してあった詞織君の兄の身代わりの術式が発動し、宿儺は星也君へ移された……そういうことで合ってるか?」
「あぁ、そうだな」
ずっと黙りこくっていたから聞いているのか不安になってきていたが、ちゃんと聞いていたんだな。
「現在は、現代最強と謳われる術師・五条 悟の封印解呪に成功し、きたる十二月二十四日の決戦に向けて準備中」
「そういうこと」
現在の状況についてもきちんと理解できているようで、日車の総括に詞織が頷く。
すると、日車は大きく背もたれに身を預け、グラッと椅子を動かしながら天井を仰いだ。
何やってんだ、コイツ。
そう思っていると、椅子を戻し、深くため息を吐いた。
「……君のお兄さんは随分と傲慢だな」
「え……?」
日車の言葉を理解できなかったのか、詞織が軽く目を見張る。
「おい。どういう意味だよ」
何を考えながら聞いていたのかと思えば……星也を侮辱する言葉に、伏黒は低く問いただした。
「あぁ、すまない。不快になったのなら謝ろう。もちろん、彼の行いが今回の事態を招いたわけでないことは分かっている。彼の身代わりの術がなければ、宿儺は予定通り伏黒に受肉していた。どっちみち、この状況は避けられなかったわけだ」
「そうじゃねぇだろ。星也さんがなんで傲慢なんだよ」
問いを重ねると、逆に日車は怪訝な表情をする。