第26章 そして、スランチオに始まる【予兆/人外魔境新宿決戦】
「五条 悟VS両面宿儺受肉体……」
畳ばりの修練場。片隅で、タブレット端末の画面を見ながら、冥冥が楽しそうに口角を上げる。
つい…と視線を上げた先では、畳を踏みしめ、拳を打ちつけ合う虎杖と日下部がいた。
「以前から裏社会の闘技場では、呪術規定違反スレスレの客たちを相手に賭け試合は行われてきたわけだけれども……渋谷事変後の規定変更で客層が合法的に広がり、賭けを行わずとも、ペイパービューチケットの売り上げだけで五十億は固い……!」
そう呟きながら、冥冥は壁に大きくもたれ、グッと握った拳を上げる。
「今日ほど自分の術式に感謝した日はないよ」
「姉さま! これで烏たちに精をつけましょう‼︎」
喜びの声を上げる姉に、憂憂が鳥用の餌を持ってリズムを取りながら隣に座った。
修練場では変わらず虎杖と日下部の組み手の続いている。
やがて、日下部の拳をいなした虎杖が、日下部に背中を打ちつけ、その勢いのまま腕を掴んだ。一本背負いが決まり、日下部の身体がダンッと畳に叩きつけられる。
「準備運動はこんなモンでいいだろ」
背中をさする日下部を、虎杖は見下ろした。
「そろそろ掴めよ、“虎杖”」
「押忍!」
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