第25章 紐解くスコア【 】
「これ……なんだろ……?」
不意に詞織が首を傾げた。
札埜と一緒に詞織が示す場所を覗く。書棚の後ろの何の変哲もない壁――だが、微かに星也の残穢を感じる。
「ビンゴだ」
札埜が壁を弾くと、ピシッと音が弾け、壁に込められた呪力が走った。やがて そこに一枚の呪符と複雑な陣が現れる。
「やっぱ封印がかかってんな」
軽く舌打ちをして札埜が頭を掻いた。
「封印……来栖を呼んで解呪してもらうか?」
「おいおいおい、何言ってんだ?」
伏黒の言葉に、札埜が盛大に顔を顰める。
「“天使”は五条 悟の解呪に行ってる。それ待って連れてくるんじゃ時間が掛かりすぎだ」
「じゃあ、どうするんだよ。俺もアンタも封印を解くなんてできないだろ」
反論してみせると、札埜は大きくため息を吐いた。
「あ〜ぁ、これだから現代の若造は。ちょっと考えてみろ。ここには神ノ原の血筋がいんだろ。封印・解呪は【陰陽術式】の十八番。派生の術式だって元は同じ流れだ」
確かに、五条の【獄門疆「裏」】も、時間さえあれば星也や星良にも解呪できると言っていた。封印・解呪が十八番だという話も分かる。
だが……。
「詞織は今 術式が使えない」
詞織を背に庇いながら言う。その後ろで、詞織も悔しそうに唇を噛んでいた。
「違ぇだろ、バカ。呪力不足で“まとも”にに使えない。そうじゃなかったか?」
「そう、だけど……」
伏黒の服の裾を掴み、詞織が声を絞り出すように肯定した。