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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第25章 紐解くスコア【 】


「この一門で禁術って言や、下手すりゃ世界の理に触れる禁忌だ。だから、オマエにも言わなかったんだろ」

「世界の、理……?」

 伏黒は眉を寄せた。その言葉だけで、忌庫の空気が一段 下がったような気がする。

「禁術は存在そのものが秘匿される。関わった人間には必ず“縛り”が科され、内容を口外することは許されない。手順の口外を禁じる秘術とはレベルが違うんだよ。一番 分かりやすいヤツだと、【泰山府君祭(たいざんふくんさい)】が禁術に該当するな」

「【泰山府君祭】……? 何それ」

 詞織が尋ねると、札埜も固い表情で続けた。


「――反魂の儀だ」


「は……?」

 伏黒は思わず乾いた声が出る。

「これは昔、一門の爺さん連中が話しているのを聞いただけだが……この儀式の代償は別の“魂”」


 ――他者の“魂”を使って、人間を甦らせる。


「魂⁉︎」

「甦らせるって……」

 声を上げる伏黒の隣で、詞織も息を呑んだ。

「今のはかなり極端な例だ。晴明が使った『血を媒介に血統を呪う』呪詛もそうだな。他にも、『転生後の自分に記憶を引き継ぐ』、『肉体の複製』、『他者と魂を入れ替える』とかな」

「秘匿って言ってる割に、結構 知ってんだな」

「この辺りは制度上の穴だな」

 札埜の話では、禁書の存在や内容を知っている人間はごく少数。
 儀式は“縛り”で箝口令が敷かれるが、それ以外では口止めされないらしい。

「俺はガキのとき、遊び半分で何度か晴明と忌庫に入ってな。そのときに見たんだよ。アイツの陰陽術の才はガキの頃から突出してたからな。鍵開けから禁書の封印までパパッと やってたぞ。だから こうして俺も探しに来たんだろ」

 おい。ガキが遊び感覚で忌庫に入んなよ。

 そこまで話して、札埜は捜索に戻る。

 禁書……自分たちが求めている答えがあるとは限らないが、一見の価値は充分。

 もし、星也を助ける手立てがなかったら、俺が……。
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