第25章 紐解くスコア【 】
「思ったよりこじんまりしてんだな」
ボソリと呟き、札埜が手近な書物を手に取り、パラパラとめくる。遠慮がねぇな。
「どこに何を置いてるのかは分からないけど……兄さまのことだからある程度 カテゴリ分けしてるはず」
「だな。ここにあるので全部か?」
詞織に尋ねるも、「知らない」という答えが返ってくる。
それも そうか。詞織も伏黒と一緒で、ここに入るのは初めてのはずだ。
「でも……秘術に関する文献はあると思うけど、禁術に関する文献はここじゃないかも……」
「禁術に関する文献? 禁書か」
手を止めた札埜が、少し考える仕草をした。
「何?」
「……神ノ原 星也と晴明は性質や思考パターンが似てる。もし晴明だったら、少なくとも禁書を別の場所で保管しねぇはずだ。目に見える場所、生活圏にないと安心できないからな。必ず忌庫に置いてる」
そう言いながら、札埜は書物を漁るのを止め、禁書を探し始めた。
「詞織。秘術と禁術ってのは違うのか?」
「ん……あんまり詳しくないけど……わたしも前に気になって兄さまに聞いたことがある」
神ノ原一門の秘術――門外不出、手順はシン・陰流と同じように、“縛り”によって口外を禁じられている。
その内容は様々で、『他者の生得領域への干渉』や『空間転移』、『呪詛返し』などがあるらしいが、どれも失敗時のリスクが大きいようだ。
「禁術に関しては……何も聞いたことがない。教えてもらえなかった」
そこで、札埜が軽く息を吐いてこちらを見る。