第25章 紐解くスコア【 】
「……着いた」
神ノ原邸――高専に入学する前まで、伏黒も住んでいた場所だ。
「例の惨劇もここで?」
「違う。ここは今の本家――っていっても、元は分家筋だけど。惨劇の後、神ノ原一門の所有してる土地も呪具も文献も、財産は全部 没収された」
その後、夜蛾の口利きで住まいとして、この邸宅と文献のみ返却された。そう、伏黒も聞いている。
「文献が返却されたのは?」
邸の敷地に入り、伏黒たちは忌庫へ向かう。
「文献のほとんどが【陰陽術式】とそれに派生した術式にまつわるものだったから。総監部はかなり渋ってたみたいだけど、夜蛾学長が監視役を買って出てくれたことで返却された」
なるほどな、と札埜が相槌を打った。
やがて、伏黒たちは忌庫の扉の前に立つ。神ノ原邸の敷地の中で、伏黒もここには入ったことがなかった。
詞織が鍵を開けると、ギッ…と重たい音を立てて扉が開く。生ぬるい風に乗って、古い紙の臭いが鼻についた。
忌庫に入って目に入るのは、壁を覆うほどの書物の数々。目に入る範囲だけでもかなりの年代物だということが分かる。
次に目に入ったのは奥へ続く扉。神ノ原一門が元々 所有していた呪具は没収されたが、その後の任務や五条からの貰い物で呪具を手に入れているはずだから、あの扉の向こうがその保管庫だろうか。