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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第25章 紐解くスコア【 】


「七海さん……?」

 首を傾げながら、詞織が「はい」と電話に出る。そして、その顔は段々と青ざめ、彼女は夜色の目を見開いた。

「詞織?」

 不意に、詞織がガクンッと膝を折る。

「姉さま……!」

 ガクガクと震える細い肩を支え、伏黒は詞織の落としたスマホを耳に当てた。

「七海さん? 伏黒です」

『伏黒君ですか。先ほど、詞織さんには伝えたんですが……星良さんが重傷を負っています。戻ってこられますか?』

「は? なんで……」

 星良は拠点から出ていない……いや、待て。
 忌庫の鍵を渡すとき、七海はなんと言っていた……?


 ――「星良さんは所用で不在です。しばらく動けなくなりそうなので、これを あなたに渡すよう頼まれました」


 こうなると分かってて詞織に鍵を……?

「……もう、やだ……」

 詞織が顔を覆い、しゃくり上げる。その背中をさすりながら、伏黒は七海との通話を終え、震える息を吐き出した。その隣で、札埜もため息を吐く。

「テメェら、なんて顔してんだよ」

 禁書を肩に担ぎ、札埜が扉を顎でしゃくった。

「とっとと出るぞ。急ぎなんだろうが」

「……そう、だな」

 そうだ。まだ何も始まってなければ、何も終わっていない。

 まだ、できることはある。

 星良だって、死んだわけではないのだ。


 ――そうだろ。


 呪文のように何度も言い聞かせ、伏黒は詞織を支えながら立ち上がった。

* * *

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