第25章 紐解くスコア【 】
「また封印か?」
伏黒は眉を寄せ、睨むように書物を見た。
「いや、これもさっきの呪符と同じ。ただのセキュリティだ」
台座の縁をなぞる札埜につられて伏黒が視線を下げる。書物の周りに描かれているのは、先ほど見た陣と似たものだ。
「ここを見ろ」
札埜の指差す先には、複雑な陣の中に溶け込むように、『安倍 晴明』と書かれているのが見てとれた。
「これは……」
「晴明の血筋にしか突破できねぇ。二重じゃなくて、三重のセキュリティだったみてぇだな。不正に封印を突破しても、最後の最後で見られねぇようにしてある」
なら、正規の方法は神ノ原の人間に封印を解いてもらうこと?
「だが、詞織が解いても呪符のセキュリティは発動したぞ」
「ただの ちゃちな攻撃な。そこらの術師ならひっかかって殺されてたかもしれねぇが、俺が余裕で捌ける程度だ。オマエらにだって難しくねぇ」
そこまで言い切って、札埜は詞織を呼んだ。
「おい、妹」
「その呼び方やめて」
詞織が札埜を一睨みし、台座に手を伸ばした。一瞬 不可視の“何か”に触れたようだが、それもすぐにすり抜け、彼女は書物を手に取る。
「でかした。見せてみろ」
札埜が詞織から書物――禁書を取り上げるのに、伏黒は「おい」と眉を寄せた。だが、彼は意に介した様子もなく、パラパラとページをめくり、やがてパタンと閉じる。
「当たりだな。よし、引き上げるぞ」
「アンタが仕切るな」
そこへ、詞織のスマホが音を立て、着信を告げた。